甘え 公演情報 劇団、本谷有希子「甘え」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    成長過程の本谷作品。
    本谷は二回目の観劇である。

    ぶっちゃけ「遭難、」を気になってたのに見逃したのは、
    観劇人として完全なる失敗だったと思っており、
    その後、観にいったものの振るわないことがあって、
    本谷はしばらくいいかな、と思っていたのですが。

    評判は悪くないようなので、とりあえず久々に行ってきました。

    ネタバレBOX

    思ったよりも小池栄子が大丈夫だった。
    むしろ、強い役より弱い役の方がハマる人なんだと思う。
    細く絞まった大人のカラダを隠すかのようなダボッダボのサロペットが、
    逆に女性性を強く匂わせているようで、イケナイ気分になりそうだった。

    登場人物は5人と少数だが、誰も彼も皆、揃いも揃ってダメな人たちである。
    でも、全員の感情は理解できたし、そのダメさが、かえって愛おしく思えた。

    父親の束縛から解き放たれたいと願う少女のような女、
    一人娘を繋ぎとめてなお、孤独から逃れられない父親、
    思い通りになんてならない男が好きなバツ2の中年女、
    枯渇した感情のままにどんな女とでも寝る哀れな先輩、
    先輩に抱かれたことを優しさだと勘違いする女の親友。

    戯曲の関係性的には均衡の取れた、見やすい世界観だったと思う。
    さすがに、ダンサブルな曲を使ったシーンの演出のチープさについては、
    いやいやもっと他にあったろう、とも思ったが、全体で言えば面白かった。

    「私よ、禊がれろ。」

    って、一言だけ見ると、鳥肌立っちゃうくらい、すごい台詞だな。

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    2010/06/01 14:09

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