沈黙亭のあかり 公演情報 劇団俳優座「沈黙亭のあかり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 紛うことなき駄作
    と結論付けるよりほかないです。

    相当前の山田太一脚本「星ひとつの夜」等も観てきて
    改めて思ったことなのだけど、「人は一人では生きていけない、
    例え日陰におかれていてもそれでも必死で生き続けよう」という
    メッセージが強過ぎて作品のバランスが保てなくなっていることが
    多く見受けられます。 

    結果、結末に進むにつれて設定から何から全部破綻していくのが
    ただただ恥ずかしくて、席を立ちたくてしょうがなかったです。

    ネタバレBOX

    この作品の難は以下の二つ。

    1. 設定に意味が無い

     主人公を「喫茶店の、聞こえない、話せないマスター」にしたのは
     失敗だったかと。 マスターと登場人物の会話になった時、相手が
     客席にも分かるように全部話し出すので、とにかく長々としてて
     テンポが悪い。 マスターが話せないので、一人語りになりがち。

     総じて人物達が、それぞれの思いを全部言葉でぶちまけてしまうので
     劇というより「主張の会」みたいでした。 なんか恥ずかしかった・・・。

    2. 構成が悪い

     最後、マスターが「聞こえる・話せる」ようになったのは良かったけど
     特に後半の展開上意味は無かった、と思う。  エンドもなんか
     締りの無いものになっちゃってて。。

     それよりなにより、最後あたりの「一人でいても寂しいんだよ!!!
     だからハグして!!!」  

     ・・・すみません、「ハグ」って・・・何?? その前後に、何の前振りも
     伏線も無かったのでホント唖然とした。 
     四人が沈黙亭を襲撃~ハグの辺りの展開はとにかく観てて
     恥ずかしくて、席を立って思わず帰りたくて仕方なかった。
     シリアスな場面に強引に笑いを取るような台詞も浮いててキツかった。

     中野誠也さんの、ステージにいるだけでじんわりするような存在感と
     音楽はものすごく良かったです。 

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    2010/05/28 12:51

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  • はじめゆう様

    初めまして。どうやら、私より、30歳以上お若いようですのに、こんなに、何もかも、同じ思いで、この芝居をご覧になっていらしたとは、本当に、驚きました。
    自分が夢遊病で、無意識に認めたコメントかしらと思うくらい、どこを引用するまでもなく、一字一句、寸分違わず、おっしゃる通りに、私も、全く同じ思いで、客席に座っていました。
    大好きだった作家の、この悲しいまでの駄作を凝視することが耐え難い思いでいました。

    昔から、山田さんの書きたいテーマは一貫していると思うのですが、昔の作品は、きちんと肉付けされた、等身大の登場人物を通して、語られていたのです。
    でも、今は、おっしゃる通り、メッセージが強すぎてバランスを欠いている…、本当にそうですよね。この舞台の登場人物は、作者の思いの化身でしかなく、全く実体がないように思えました。

    「ハグして」の台詞は、私も本当に、驚愕し、鼻白む思いでした。
    せめて、「抱いて」と言う方が、まだリアル。「ハグ」という言葉を、照れで、選択したのなら、「ハグって言うの?ほら、よく外国人が街頭でやってる…」みたいなニュアンスで、あの言葉を出すべきだったと思います。
    きっと、山田さんて、今の若い世代との交流がないのではと、悲しくなりました。

    昔は、今のKAKUTAの桑原さんや、サスペンデッズの早船さんのような、心の琴線に振れる
    たくさんの名脚本を世に送り出して下さったんですよ。

    はじめゆうさんと同じ思いで、気恥ずかしくて、席を立ちたくなった、山田太一往年のファンがいたということを、お知らせしたくて、長々と書いてしまいました。失礼しました。

    2010/05/29 02:46

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