実演鑑賞
満足度★★★
第29回OMS戯曲賞佳作受賞作にして 第12回せんがわ劇場演劇コンクール オーディエンス賞受賞の記念公演…見巧者向けのようだ。
物語は四章で構成されており、何となく関連していることは分かるが、意図しているところを読み解くの(自分に)は難しい。チラシに「あなたの痛みも苦しみも、他人だからわかりっこない」、そう 脚本家の脳内を覗いているわけではないので、何を描き伝えようとしているのか本当のところは解らない。それは どの公演についても言えること。しかし 本作は、独特な身体表現・台詞回し、曖昧な背景など、具体的な説明を削ぎ落し緊密・抽象的に描いており、その表現手法に手強さをおぼえる。
言えるのは、2021年に京都で初演した時、「身体感覚による身体感覚のための演劇」と銘打ったとあり、身体を巡る物語であることだけは分かる。当日パンフには、四章のサブタイトルもなく、一~四章という構成と登場するモノ(者)が記されているだけ。内容<世界観>の面白さは、観客の感性に委ねているため 評価が割れるだろう。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)