CAREFUL CARE ケアフル・ケア 公演情報 劇団Turbo「CAREFUL CARE ケアフル・ケア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    老人介護をテーマにした物語…老いらくの恋が絡むが、何とも清々しく温かい気持にさせる喜劇?
    歌、ダンス、映像をもって観(魅)せようと工夫するところには好感だか、それが有機的とは思えなかった。

    物語はグループホームに暮らす おばあちゃんとその施設に隣接するデイサービス施設に通う おじいちゃんの恋バナ、何と2人は高校の同級生で今86歳なのだが…。
    グループホームには6人のおばあちゃんが暮らしているが、その役名に担わせた 高齢者らしい行動が少しコミカルに描かれる。しかし「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」(永六輔)を思い出し、素直に笑えなかった。物語は面白いが、描き(演じ)方がぎこちないのが憾み。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央奥に映像スクリーン、その前に横長テーブルが3つ、老婆が2人ずつ座っている。因みに、施設の理事長と老ヒロインは 男優の一人二役である。
    物語は昭和29年 甲子園出場を目指す予選会、乃木将輝は原田操に甲子園へ行けたら結婚してほしい と告白する。その約束は果たせず、2人は別々の人生を歩むことになる。

    そして86歳になった今、操はグループホームで暮らし、将輝はデイサービス施設へ通っている。この 老いらくの恋を応援するような展開の中に、高齢者特有の症状を描く。当日パンフによれば、グループホームとは「認知症の改善や認知機能の維持を目指す介護施設で、少人数制による家庭的な雰囲気が特徴」だと言う。登場する おばあちゃんは皆 愛らしいが、それぞれ三枝カネー金欲、紫苑紫ー色欲(色彩)、森よねー食欲、西野琴-音好、犬飼幸代-ペットに執着するといった呆け<認知の特徴>を現す。この 欲を好意的、肯定的に描くことによって暗くせず、カラッとした愉しさを演出する優しさ。

    将輝は操にプロポーズし、区役所へ婚姻届を提出しに行く様子を映像で映し出す。TV バラエティ番組の『はじめてのおつかい』のように施設内で見守り実況する。面白可笑しく演じ観せるが、映像を介していることから感情移入が出来ない。映像表現には更なる工夫が必要だと思う。

    また みさ の歌、有森家(顔似)、施設の新人職員(コミカル)、施設に置かれている半裸彫像(ダンス)、そして犬(ペット)の被り物といった観(魅)せ方をし 楽しませようと工夫している。色々な工夫をしているが、バラバラで繋がりがないためテンポが良くない。

    また、おばあちゃん たちの笑い和ませる演技と、若手の かたい演技のアンバランスが憾み。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/04/30 05:34

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