実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
表層的にはコメディとして観せているが、描かれている内容は鋭い批判または問題劇になっている。説明にある通り、コンクリート部屋の中に閉じ込められた人々を通して、今の世の息苦しさ、生き難さを浮き彫りにしていく。まさに酸素濃度計のアラームならぬ閉塞系の警鐘が観てとれる。同時に タイトル「葛飾ナンバー」に込めた問題意識が現代日本の悪しき風潮のようなものを表す。
3部屋に5人ずつ監禁され、同時進行するサスペンス劇。登場人物は多いと思っていたが、その人間関係をもって 或る共通性と相違性を鮮明にしていく巧さ。勿論、一人ひとりのキャラクターの面白さを観せるためでもあるが、人にはそれぞれの生き方や考え方がある。皆 同じ方向に向き進むのではなく、その違いが大切なのだと…。
(上演時間1時間35分)