実演鑑賞
満足度★★★★
4月(春)に相応しい群像劇。
物語は、1969(昭和44)年 東京・王子にある福ちゃん荘というアパートが舞台。当時の状況や出来事を点描し、昭和の香りを色濃く漂わせるが、半世紀ほど前と現在を比べながら観ると面白い。1964年東京オリンピック後であり、1970年大阪万博前という背景は、2020(2021開催)年 東京オリンピックと2025年万博(予定)という今の状況に照らし合わせると興味深い。
同時に、4月という出発<門出>時期に相応しい内容であり、公演〈キャスト〉そのものに重なるようだ。物語は、島根県から上京し大学に通う青年が、アパートの住人達と関わり 生き方を模索し成長していく内容。一方 公演は、若手とベテラン俳優で、どちらかと言えば若手をメインに据えた紡ぎで、ベテランは若手を支え 応援するような役柄になっている。若手は 生き活き 清々しく演じ、ベテランは 滋味ある演技、そのキャリアに応じた観せ方が実に好い。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)