ブロッケン 公演情報 ゴツプロ!「ブロッケン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    最近、この手の騒々しい舞台は少なくなった。乱暴で我を通すだけの父(塚原大助‘)に育てられた娘(前田悠雅)が、その乱暴な生き方に耐えられず家を出て、すでに別れている母(岩瀬顕子)のもとに身を寄せる。父には叔父になついている弟(高畑裕太)がいる。父は会社勤めをしているがいつも上司(泉知東)を困らせてばかり。父は弟とも、仲違いしていて相撲で決着をつけようと迫っている。折しも、一族ではまっとうな叔父が交通事故で亡くなって・・という展開で、以後は通夜の客モノになっていくが、キャラクターの置き方も話の展開もかなり乱暴で、物語のスジはなかなか飲み込めない。
    出来損ないと言ってしまう評者も出てきそうだが、この、全く今までの夫婦・親子関係にはないようなドライな環境に生きていく一家はいかにも現代の片隅にはありそうなリアリティがあって捨てがたい。思わず笑ってしまうような無茶ぶりの中に、今の社会の生きづらさが潜ませてある。母子を演じる岩瀬顕子と前田悠雅が新鮮な演技で新しい現代社会を生きていく女性を演じる。前田悠雅は「花柄八景」で見せた叙情性を捨てて強く生きる。
    このグループ・コツプロは初めて見たが、どういう方向なのかよくわからない。演出の西沢栄治はたしかつかこうへい系で、その影響は見えるが、この先は解らない。脚本も部分的にはなかなかうまいな、と思うところもあるが、全体としては収拾がついていない。シアタートップスは幕内らしい男女の客で8割の入り。



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    2023/04/26 00:32

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