満足度★★★
情感を紡ぐ芝居が心地良い
オムニバス形式の3部構成の舞台。
最初の場面では、素人っぽい演技の方が多く、付いて行けるか心配でしたが、3部まで観たら、結果オーライ。
かえって、その素人っぽさが、この芝居向きなのかもしれないと思えました。
どこにでもいる普通の人間生活の日常が、胸にスーっと染み渡ったラストシーンは、演技過剰な役者さん達では、紡ぎ得ない世界でした。
昔、私が子供達に読み聞かせた絵本の世界のような情感劇。
最後のシーンはスーラの点描画のようでした。
よく外国語映画賞の対象になるようなドキュメンタリータッチの映画では、撮影場所でオーディションで選ばれた素人さんがよく新人賞を受賞してしまったりすることがありますが、この舞台の役者さん達にも、そんな不思議な自然の魅力がありました。