実演鑑賞
満足度★★★★★
時間軸は適度にシャッフルされるが、意外としっかりしたリアリズムに立った、シンプルなつくりの舞台だった。そうなると、大事なのは役者。亀田佳明が不器用で裏表のないが少々付き合いにくい、無邪気で孤独な天才を丁寧に演じて説得力があった。とにかく出ずっぱりなので、亀田の存在で成立した舞台だった。
数学や暗号の説明も、なんかわかった気にさせられて、面白かった。チューリングが語る「論理的な数学でさえ、数学的問題の解決には新しいアイディアが必要なんです。ましてや他の問題ではどうでしょう」と語るセリフが光った。ウイトゲンシュタインがいったという「科学上のすべての問題に答えが出たとしても、人生の問題に答えはない」もかっこいい。
パットの岡本玲がりんとして美しい。保坂知寿は那須佐代子に似ていた。
休憩込2時間50分