満足度★★★★
観る側を舞台上に引き込む求心力
母を亡くして姉妹2人が住んでいる家に、町の再開発でしばらくマンション…もとい、億ションに移住し、その間に賃貸マンション兼住宅に改築することを勧める役場の男と町内の世話役が来るが、姉は思い出いっぱいの家にそのまま住み続けたい(共感!ってかその胸中がビンビン響いてきた)と言い…な状況から始まる物語は駅前劇場進出ということで気合いが入ったワケではあるまいが、140分という長尺。
がしかし、ライトなタッチでコミカルな味もある導入部から、次第にシリアスに転ずるにつれ、観る側を舞台上に引き込む求心力のようなものがあり、それゆえ舞台との距離が近く感じられて観ながら「ここ、OFF・OFFじゃなくて駅前だよね?」などと思ったりも…。(←ちょっと作りました(爆))
前作から「身近な感覚」は以前と比べて若干薄れた(あるいはフィクション度数がアップした?:個人の感想です)ものの、会話の自然さは変わらず、それとキャスティングの妙(意外なケースも含めてそれぞれハマっているんだな)の相乗効果で引き込まれるのかしら?
で、時節柄もあってか、ラストシーンはマチネ同様、積もるほど降りしきる桜の花びらたちという…。
ラストシーンといえば、暗転の間に家具類を全部運び出して転居後を見せたのも良かった。