男優精鋭部隊
若手演出家によるドラマ・リーディング公演の2本目は、柴幸男の演出で、別役実の作品を。上演時間はすっきりと短めの約1時間。
男優5人が車座になって、浮浪者たちの浮世離れした会話が展開する。
戯曲のト書きの部分は、上手にいる演出補の女性がすべてしゃべっていた。きのうの谷賢一の演出による三島作品では、脇の役者のひとりがト書きを読んでいた。ドラマ・リーディングは基本的には役者が台本を読むだけなので、演出といってもそれほど派手なことはやらないのかもしれない。そんな中で、ト書きの扱いは一つのチェックポイントかも。
男優5人は巧者揃い。粕谷吉洋、福士惠二、玉置孝匡、谷川昭一朗、ベンガル。
別役作品ではもともと人物がいくぶん記号的だし、舞台装置も簡略化されていることが多い。今回のリーディングでは小道具や役者の動きがさらに省略されていたが、むしろそちらほうが効果的に思えたくらい。別役実の戯曲はものすごくリーディング向きだ。