満足度★★★
役者の個人技を前面に出す。
相変わらず、エンクラの芝居は安定して面白い。今回が初演出の内田明伸はエンクラの伝統を守りながら、随所に新鮮な表現をプラスしていっていた。そして役者の持ち味を生かしながら、全体としてのストーリーをまとめあげている。
ストーリー的には破綻している部分が多々あるが、中心的な役者の技量が高く、個人技で客席を引きつけ納得させてしまう。大したもんだ。本筋のストーリー自体の深さはそれほどでもないのだが、役者個々の持っているものが深いので、結果として奥の深い作品に仕上がっている。
500円は安い。安すぎる。
役者では佐藤あい子の成長が著しい。彼女にしか表現出来ないスタイルで、独特の魅力を発揮しだした。ラスト近く、彼女が新(あらた)に愛情表現をするシーンは名シーンとなった。