実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/23 (木) 15:00
座席1階
忙しすぎて、時間が足りない。一日50時間くらいあったらいいのに。かつて、本気でそう思ったことがあった。そんな「夢」をかなえてくれる舞台である。でも、そんなことが夢でよかったとしみじみ考えさせられる舞台でもある。
先人も書いていたが、舞台セットが独創的で見事だ。時間がテーマなだけに、テーブルを回転させて時計をイメージしたり、冒頭の前説で砂時計を提示したり。バックのデザインも美しい。
主人公は夫が単身赴任し、二人の子どもの面倒を見ながらパートで生活を支える主婦。子どもと言っても会社員の姉と高校生の弟なのだが、この弟がゲームオタクで「ご飯まだ?」と平気で言うなど最初からもう大変なのである。
そうした雑事を全部引き受けて当たり前と考える女性だから、その時点でもう時間が足りない、物語が進む中で、さらなる難題が次々と降りかかる。
ラストがとてもさわやかでホッとする。AIの時代になっても、人間性が一番と納得できる舞台だ。
高校生役の俳優さん。どう見ても高校生に見えません。少し残念。