夕焼けとベル 公演情報 カムヰヤッセン「夕焼けとベル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    TRICKみたいな
    人里はなれた過疎化の進む村に、古い不思議な因習の残る村や事件、そしてそれを追ってくる刑事たち。
    普通の小劇場のお芝居を見ているのとはちょっと違うスケールの作品で、ドラマのTRICKを見ているような感じでした。
    最もそれほど遊びに走った訳ではなく、トリックもある訳でもなく、内容はストレートに。

    ネタバレBOX

    HPでは世界の終わり的な事が色々と書かれていますけど、実際の舞台は世界の終わりと言うわけではなく、もっとスケールは小さくある島で展開する話。

    中心になるのは3組の集団。
    理想を求めて行動しているうちに強盗事件を起こして島へ逃げてきたテロリスト5名。
    一度は島を出たけど島に戻ってきて見合い結婚をして、知的障害を持つ娘を持ち最近家庭の事で色々としっくり来ていない駐在さん。
    そして古い不気味な因習を守る、島外れにすむ母娘。

    それら3つの異なるカテゴリーの集団が、テロリスト集団の存在によってひとつの大きな流れの中に巻き込まれてゆく。

    テレロリストは最初は「映画の撮影」と言って民宿に泊り込むのだが、その民宿の旦那は駐在さん。でも仕事に信念を燃やしているわけではない駐在さんは指名手配されているテロリストの存在に気づかず。

    いざテロリスト言う事がバレて、彼らは民宿の奥さんとふたりの娘を人質に取って逃避行を開始する。でもそんなにうまく行くわけでもなく、仲間割れによってバラバラになって、ひとり捕まり、ふたり捕まり、という感じで捕まってゆく。

    最後に残った女性は最初からそのテロリスト集団の中でも知能が優れて、人の心を思い通りに操る事に長けていた。
    けど、そんな彼女が最後に行き着いたのは、実家の妹のところ。
    彼女はこの島の古い因習の残る一家の生まれで、その家では娘は父親と交わって子供を宿すことになっていた。しかし彼女はそれを嫌って東京へ出てきた。代わりに残された妹が父親と交わり、子供を宿して、その子供ももう10歳になっていた。
    そんな妹と話をしたくて最後に行き着いたのだった。

    でも、そんな所に警察が踏み込んできて、女は妹を人質として銃口を向ける。。。

    ドロッドロの人間ドラマが展開される、家族について考えさせられる物語。

    サスペンスとしてみると良くできていると思います。

    役者さんは、テロリストの女を演じていた川村紗也さんが怪しい魅力満載でした。競泳水着の「そして彼女はいなくなった」よりも全然魅力的。

    駐在を演じた松下仁さんの人の良さを前面に出した、ちょっと頼りないところもよかったです。そしてその妻役の今城文恵さんが、年齢とかけ離れた役柄だと思うのですが、とても印象的でお母さんに見えてくるところが素敵でした。
    次女役の重実百合さんの無邪気な魅力もとても光っていました。

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    2010/04/05 03:00

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