満足度★★★★★
感傷ではなく、事実として認めること
タイトルの言葉のトリックは観るまで気付かなかった。
始まって初っぱなの調子に、わりとノリのよい家族ジレンマものってな所か?と思って観ていたら、進むにつれ見えてきたのは人は信用するに足らぬという諦めが根底に流れる、ドライなドロドロ人生劇だったというカウンターパンチ。
あけっぴろげでハードなことにはあまり首を突っ込まないで生きたい自分にとってはピリピリと肌に染みる濃ゆい塩水のような芝居だった。
観終わって時計をみたら予想以上に時間が経っていてびっくり。
内容のハードさを前面からは感じさせぬ演出と演技で、笑いも上手い具合に織り込まれ、2時間強があっという間だった。
個人的にはあのラスト、今年に入って一番印象に残ったラストシーン。
しばらく引きずりはするだろうが、ああ観てよかったと思えた作品。