モグラの性態 公演情報 ぬいぐるみハンター「モグラの性態」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    したたかな薄っぺらさ
    物語にしても、場面にしても
    ちょっと見は薄っぺらいのですが、
    それでなければ表現できない質感があって。

    軽さが自由さにうまく繋がって・・・。
    かもし出された質感を
    たっぷりと楽しむことができました。

    ネタバレBOX

    その年齢の男性の感覚が、
    絶妙な軽さで表現されていて
    うふっとなった。

    虚実のバランスどりがなかなかにしたたか。
    男達のリヒドーのあからさまさや恥じらいに加えて、
    たとえばお金持ちや先生、研究者などの
    大人のデフォルメの仕方や遊び心、
    さらには男性側の、
    同年代や年上の女性に対する性感覚のリアリティなどが
    うまく舞台の質感を作っていく。

    個々のキャラクターが
    実は細かくデザインされていて、
    その意図をきっちりと具現化する技量が役者達にあって。
    どこかラフに見えるのだけれど
    物語に身をゆだねられるような安心感があって・・。

    音の使い方や、舞台美術もなかなかにキャッチー。
    さらには
    うまく説明できないのですが、
    お芝居のコアから外れた部分にジャブ的というか、泡沫的な
    枝葉のつぶやきや突っ込みがあちらこちらにちりばめられていて、
    けっこう舞台の時間を素に戻したり広げたり。
    あるいは独特な肌合いを舞台に与えていたり。

    それらの混在から、
    観る側の無意識な部分をくすぐるような
    シャープさがやってきて、
    舞台上に生まれた
    おもしろうて、心地よく情けなく、ちょっと甘酸っぱいような感覚が
    べたつかずに観る側にすっと入ってくるのです。


    終演後の角田vs池亀でのアフタートークも、
    ちょっとあけすけでおもしろかったです。
    バックの小芝居(これがうまい)も含めて
    こちらも
    なかなかの味わいでありました。


    0

    2010/03/31 11:00

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大