モグラの性態 公演情報 ぬいぐるみハンター「モグラの性態」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    お下品で、中身はないけど、面白い
    お行儀が悪そうだけど、意外(失礼!)と会話劇としての成立具合は、なかなかのものだと思った。
    残念ながら、その会話が示す内容(物語)はほとんどないのだが、会話のやりとりだけでもそれなりに面白いのだ。笑いはしないれけど。

    若くっていいじゃん、という感じもある。
    なんかみんな、キューティクルがきれいで、髪の毛が光ってるなあ、と思いながら観てたりして(笑)。

    ネタバレBOX

    オープニングにはちょっと驚いたが、お下品さはあるものの、「お」が付く程度の下品さで、それに関してはキツクはなかった。
    ま、適度というところか。

    それにしても、やっぱり若い男子が集まるとドーテーものになっちゃうのかな。言い訳じみたドーテーというのも、今までもずいぶん観てきたので、新鮮みはない。新しい見せ方をしてくれるわけでもないし。作者からすれば、たぶんリアルなんだろうけど。

    それはそうとして、物語の中心となる4人組の会話のテンポとぐだぐだ感が素敵だ。ウマイ、驚いた。しかも、14時の回で役者が1人病気(怪我?)で離脱して、急遽、作演の池亀三太さんが加わったと聞いてさらに驚いた。欠けてしまったピースに見事にはまっていた。
    他の役者さんたちも、それぞれに存在感をしっかり示していて、絡みもうまいなぁと。
    ちょっと引くぐらいの存在感を示していたボス役の立木雄一郎さんと、鮫島役の橋本仁さんの圧力の強さは両者ともに捨てがたいものがあった。そんな彼ら2人の直接対決がなかったのは、うまい演出だったのかもしれない。また、モグラ等を演じていた神戸アキコさんの独特の立ち位置というか、オーラは捨てがたい。さらに、濃い登場人物の中にあって、1人違う姿を終始見せていた清水役の藤吉みわさんは、逆に印象に残った。

    ただ、物語としては、特に何もない。
    お話のためのお話というところで、深みがあるわけでもないし、スピード感みたいなものがあるわけではない(ロックな音楽でスピード感を煽っていたが)。

    どうやらスピード感や勢いで見せるというより、台詞のやりとりで見せる舞台がここの持ち味のようだ。

    だから、内容はないけど、台詞が結構面白い。
    言葉をうまく操っていると思う。
    それが、トゥマッチなところもあるのだが、観るほうが若かったり、体力があったり、体調が良かったりすれば大丈夫だ。
    90分だし。

    どーでもいいような細かい設定や、台詞の中には、面白いところもあるのだけれど、「笑い(声を立てて笑う)」には結びつかないので、もし、笑わせる気持ちがあるのならば、笑わせるための間とか、なんかそんな要素が必要なのだろうから、それを手にしてほしいと思うのだ。

    4人の男子が中心に据えられているのだが、実質的な主人公が不在というのが、全体をぼんやりさせているのではないのだろうか。
    最初は、モグラと交流したり、清水さんとの衝撃シーンがあったりというこで、フラワーが主人公かと思えば、徐々にその存在が薄れていってしまうのだ。
    やはり、誰かが軸になっていかないと、観客が物語に入るための入り口を見失ってしまうのではないだろろうか。

    また、新型エイズという設定はいかがなものか、と思った。そこに毒が込められているわけではなく、リアル感を求めているわけでもなさそう。あまり深く考えての設定とは思えず、だったら、未知の病気でもよかった気がする。

    そういえば、モグラは、奇妙で面白いのだが、意味がイマイチわからない。主人公たち4人の男子の生態を示しているのだろうけど(モグラはメスだけど)。

    しかし、登場人物がすべて一見濃そうなのだが、実はそうでもなく、それぞれの集団ごとに軸となる濃いキャラがいて、それが中心になっている設定にしているのは、なかなかなものだと思った。

    どーでもいいようなところの盛り込み具合とか、いいところがたくさんありそうな雰囲気なので、何か具体的な武器を手にしたら、たぶんもっともっと面白くなっていきそうな予感がする劇団だ。
    なんか頭の中だけで考えたような内容なので、できれば、その閉じられた発想の殻を破るようなはじけ方なんかを手にしてほしいものだ。
    演出のドタバタ感はあるものの、全体的には、何かセンスのようなものも感じたし。
    POPさの片鱗のようなものも垣間見られたような気がしたし。

    とういうことで、私は結構気に入った。
    なんで、☆はおまけだな、おまけ。

    そうそう、モグラ生態ならぬ性態なんだな。
    で、次回も『お肉体関係』なんていうタイトルからして「お下品」そうで期待が持てる・・・かもしれないし、持てないかもしれない(笑)。

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    2010/03/29 06:50

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