期待度♪♪♪♪♪
#一川幸恵 #沼田星麻
#榊菜津美 #大塚由祈子
#相葉るか #相葉りこ
#深海哲哉 #徳倉マドカ
#松尾理代 #河原翔太
#宮川飛鳥 #堤和悠樹
#星野李奈 #宮崎雄真
#宮本海 #野崎詩乃
#広田淳一(敬称略)
安楽死、尊厳死、自死、自殺幇助、生きる権利、死ぬ権利、余命宣告、健康年齢、自傷行為……こうしたモノや考え方について議論される機会の少ない日本に一石を投じる作品の再演。主宰で作演出の広田淳一さんが、これらの是非を押し付けるのではなく、この問題が抱える矛盾を投げかける作品である。たくさんのキャストが様々な立場で登場し、その意見や姿勢を示す中で、多くの人の視点から多角的な考えを提示する。ただ、全ての登場人物の思いやバックボーンを僅か2時間前後で提示できるはずはないのだから、彼等の考えの背景は観客が想像して補えばいい。彼等が訴えることのそれぞれに理屈や主張があり、そのどれにだって一理ある。しかし、その理屈や主張は万能ではなく、別の視点から考えれば矛盾を孕んでいたりする。この世は矛盾に満ちている。人生の選択もそう。
これは、臓器移植を待つ子どものドナーとレシピエントの問題とも共通する部分が多くあるだろう。また、東日本大震災の津波から逃げるお年寄りと孫の『逃がしたい』『置いて行けない』葛藤とも通ずる。
人間は立場が入れ替われば真逆の主張をしたりする矛盾したイキモノだ。
対立し絡み合うそれぞれの正義。その中にきっと、観客一人一人の思いや考えを代弁してくれる人物に出会うはず。その人に寄り添いながら、対立する考えを持つ人物の立場に立って思考を巡らせてみたい。
終演後には、きっと誰かと話したくなるのだろう。大切な人と観たい作品になるに違いない。