満足度★★★★
家族の「負の面」をえぐる物語。最も身近な人間、身近な話題、しかし深い。
長女の結婚を控えて温泉旅行に来た家族四人。
特に話すこともなく、気まずい空気の中、
突然、長女が結婚を止めると言い出した。
「誰のせいなのか」「誰が悪いのか」
四人はお互いを責め、懺悔を始める。
最も身近な人間、身近な話題、しかし1時間10分に
詰まった内容は重い。
しかし幻想的な演出も挿入されています。
思ったことが出てしまう言葉の罪。
「お前のせいじゃない」という言葉は、
無意識に、お前のせいだけれど自分を責めるなとか、
お前が自分のせいだと思っているはずだとか、
自分には一切責任がないとかいうことが含まれてる。
どこの家族にも必ず問題があって、その責任は
誰にあるのか。
その家族の一人一人も相手の考えていることが
想像とは違うとか、
とにかく色々と考えさせてくれるお話でした。
(そう言いつつ、すぐ忘れてしまうのも悪いのですが。)
平田満さん、井上加奈子さんは実際もご夫婦なので、
見ている最中もふとそのことを考えてしまう。
去年は加藤健一事務所「高き彼物」同様、的確な演技の
占部房子さん、五反田団「すてるたび」で観た黒田大輔
さんも好演。まるで家族のようです。
平田さん井上さんの「アル☆カンパニー」は
五反田団の前田司郎さん作・演出、ふたたび家族の話
次回作第7回公演「家の内臓」にも期待してます。