実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/01/29 (日) 15:00
本筋の合間に差し挟まれる、ちょっとした会話までもが面白い。
時に風刺的だったり、時にサブカル好きのツボを刺激したり。
そして、レポートの課題がのちのち伏線として回収される構成がおしゃれ。
「女子大生が単位を取るために教授に色仕掛けで取り入ろうとする」というストーリーの性質上、必然的に性的な展開になるのだけれど。
ウエットないやらしさがなく、下ネタもウィットに富んでいるので、男女問わず楽しめる作品だと思う。
教授、姫川さん、萩原くんの奇妙な三角関係が、教授室という限定された空間の中のみで展開されてゆくため、客席側からは彼らのやりとりを覗き見ているような感覚になった。
ホワイトボードによる時間経過の演出もシンプルでありながら、萩原くんの心境を表す装置として効果的。特に、「金」の書き方で彼のやきもきした心情がよりリアルに感じられた。
教授の、姫川さんへの感情が変化していく様も、自然な危うさがあって、こちらまで冷や冷やしつつもわくわくしてしまった。
何より、姫川さんの引力が凄い。
気弱そうな第一印象とはうらはらに、目的のためには手段を選ばない強かさ。恐れを感じつつも魅入られてしまった。
このあと彼女は無事内定と単位を勝ち取れるのだろうか?
想像の余地を残したラストも秀逸。
最初から最後まであっという間の70分、楽しいひと時だった。