満足度★★★★
胸打たれる意欲作!
大学時代からの演劇仲間が結婚し、50をすぎても二人で芝居をプロデュースし、同じ舞台に立ち続けている。平田満、井上加奈子、なんて素敵な人生なんだろう。しかも連れてくる作演が凄い。青木豪、蓬莱竜太、前田司郎等、若手の活きのいい演劇人を連れてきて、その新鮮な感覚を自分たちのものにしようというどん欲な姿勢。この夫婦の演劇に対するあくなき探求心は若手も見習わなければならない。
今回の舞台もその二人のエネルギーが劇全体にほとばしっている。家族に障害者を抱える家庭の崩壊寸前の状態を巧みに表現し、その中でそれでも明日に向けて前向きに生きていこうとする家族を、リアルに、しかしどこか幻想的に表現した。加藤健一事務所「高き彼物」で加藤健一の娘を明るく好演した占部房子が今回は難役を繊細に演じていたのも光った。
アルカンパニーで「飛龍伝」とか「松ヶ浦ゴドーの戒め」とかやってくれないかなあ。この二人なら今でも十分に出来ると思うのだが・・・。
2010/03/22 19:25
2010/03/22 02:36
2010/03/21 02:00
何しろ、父の仕事柄、それまでは、商業演劇と新劇しか知らない人生でしたから。
つかさんの舞台に、目から鱗の衝撃を感じた、あの時の感動は今も忘れません。
長い間、若者のために、入場料も据え置きして下さっていたことも、ありがたくてなりませんでした。
劇評家だった父に、今の若い才気溢れる小劇場の芝居を見せてあげたかったと、最近つくづく思います。父が通った劇場は、もうほとんどなくなったので、私は、初めての劇場や、劇団に出会う度、仏壇に観劇報告をしているのですが…。
つかさんに影響を受けた演劇人の流れが脈々と、今に受け継がれている気がして、嬉しく思います。