無題
タイトルにあるように「母」をテーマとした内容ですが、実際は母になるまで(つまり妊娠期間から出産するまで)の話です。チラシにもウェブにも内容紹介が見当たらないので細かいことは書きませんが、ちょっと天然な主人公の“イマジナリーワールド(空想世界)”が話の大半を占めています。
空想世界と言っても現実と完全に切り離されているわけではなく、むしろ過去と現在が同居する主人公の内面世界という様子です。キーワードは「子が将来何になるかは未知のことに属する」。
なんというか、笑ったり泣いたりで顔の筋肉が忙しい観劇でした。脚本と演出の末満氏は男性なのによくこんなテーマで書けるものだと感心します。まあ、刑事でなくても刑事ドラマは書けるんだから同じことかも知れませんが、本物の刑事が刑事ドラマで感動したという話はあまり聞きません。本作ではたくさんの女性が泣き笑いしてました。
ピースピットの作品は今回を含め舞台を2回とDVDを1回観ただけですが、どれも切ない愛に溢れている印象を受けました。次回作が楽しみです。