ゼロからはじめる 公演情報 東京タンバリン「ゼロからはじめる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    POPでユーモアがあり、軽くエスプリも効いていて、とっても面白い
    プラスちょっとした男女の関係も挟まれたりしてテンポもいい。
    そう、まるでおフランスの映画を観ているような雰囲気があった。

    上演時間も手頃の80分だし。

    ネタバレBOX

    マンションの一室で行われる初心者向けのフランス語教室が中心舞台。
    生徒5名にフランス人の教師が1人で、フランス語会話教室が行われる。

    レッスンごとに、自己紹介や「〜が好きです」というような常套句を学ぶパターンが1つのシーンのように構成される。

    簡単なフランス語も飛び交うが、教室の設定なので、何を話しているのかは観客にもわかる仕組みになっていて、また、わからないところは後に明らかになっていく。
    このフランス語が混ざる会話が、心地よいのだ。交わされる会話にはリズムが生まれるのだが、さらにそれをリズム感をアップさせ、動きをプラスして見せていく。

    テンポのいい会話劇に、セットチェンジや場面展開で役者たちが舞台を動き回る様子が挟まれ、それがいいアクセントになっていて、POPな印象さえする。舞台で作り出されるウェーブのようなリズムのある演出が、作用していく。

    舞台を観ながら、そのウエーブに乗せられてしまった感もある。
    「何?」なんて思った冒頭から引き込まれたのだ。

    こうした演出の中で、登場人物の内面やバックボーンには、必要最小限しか語られず、さらりとした手触りがおしゃれな印象となる。
    ちょっとした恋愛や、嫉妬、秘密めいた関係、友人や女性同士の感じなど、どれも軽いあるある感もあるものの、さらりとしている。

    また、しつこいぐらいの口癖や、動きと早送りテープ音のある早回し、椅子や机を持って回る舞台転換、視点の転換、心の声など、かつてどこかで観たことあるようなシカケやテクニックなのだが、その組み合わせ方やリズムがいいし、使い方のセンスもいい。
    こうした演出が、この物語にとてもフィットしていて、うまいと思う。

    これって、やはりフランス語の語感もあるのだろう。英会話教室とかドイツ語会話教室だったとしたら、また違ったリズムになっていたと思う。

    中心となるストーリー自体は、それほど大したものではないのだが、ストーリーが行き着いた先には、ちょっとした虚しさとか翳りみたいなものもあり、やっぱりフランス映画的だなと思ってしまうのだった。
    でも、もちろん、見せ方は舞台でしかできないものであることは確かだ。

    どの役者も醸し出す雰囲気がよかった。わかりやすいキャラクターで、メリハリが効いていて、この舞台には非常にマッチしていたと思う。

    最後のもうひとオチで、軽く笑わせてくれるのもとてもよかった。

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    2010/03/11 06:17

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