実演鑑賞
満足度★★★★★
開幕からのコミカルでダンサブルな滑り出しに、一気に物語世界へ。
ストーリーも愉快痛快、明朗快活。台詞はなくとも伝わる、クリアなメッセージ。
赤い血しぶき、過去と現在の切り替え、背中に重ねる故人の影。
舞台上での表現の限界に挑戦し続ける「人間CG」と呼ばれる技術にも目が離せません。
不殺のヒロイン、それを追いかける同心。
因縁を感じさせる黒ずくめの賊、厄災のような強さを誇る頭領。
絡み合った縁の糸が少しずつ解きほぐされるうちに、陰と陽のコントラストが際立ってきました。
明るいだけではなく、心の奥にぐっと斬りつけるような感傷に、いつしか涙がこぼれ落ち。
それでも爽快な後味は、人情噺を聞いたあとのそれに似ていました。
主役を演じた小玉百夏さんの弾ける笑顔がとにかく魅力的で。
強くてキュートなヒロインって素敵だな、と改めて思った作品でした。