期待度♪♪♪♪♪
今のバージョンの初演はちょうどコロナに入る直前(2020年2月下旬)に観たのであったが、そんな事は忘れていた。そう言えば微かに自分は観られて良かったという安堵と人に勧めてももう観てもらえない落胆が過ぎったのが、遥か昔のよう。二月下旬からバタバタと公演が取りやめになり、小劇場の劇団がしぶとく感染症対策を施しつつ(客席のディスタンス、換気、マスク、中には次亜塩素酸水を噴霧している所もあった)公演を続けた3月を経て、ついに4月以降「宣言」により約4か月間「演劇はなくなった」のだった。
全く話が逸れてしまった。
本作は何と言ってもゴッホ役だ。若い文化座俳優・藤原氏の奮闘を拝んだわけだが、ラストの独特なシーンを私は居心地悪く見てしまった。作品の持つ限界に思えたのだったが、俳優の仕事を評価したくもその部分が魚の骨のように気になり(理想の形を思い描けず)保留のままとなった。つまり、あるいは俳優次第で作品に統一感をもたらすものかも知れず、あるいは芝居(特にテキスト)によって俳優の役割や見え方が変わるのかも知れず。
そんな事で再演での「変化」を観たいが、日程的に観られそうにない(悔)。