目を見て嘘をつけ(再演) 公演情報 KAKUTA「目を見て嘘をつけ(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    かかえているものを丁寧に描く
    登場人物それぞれが抱えるもの、
    許容するもの、許容できないものが
    少しずつすりあわされ、修正されていく。

    描かれる人物それぞれが
    丸められることなく丁寧に描かれていて、
    よい意味での100%しっくりとはまりきらない感じが。
    舞台全体の実直さや豊かさに昇華していくのです。

    桑原作劇の見事さをたっぷりと楽しむことができました。

    ネタバレBOX

    開演前から適度に遊び(開演前の注意を街の音に載せてなど)をいれながら、その場の雰囲気を立ち上げて、
    物語が始まります。

    前半部分では
    登場人物自身ではなく、その場の会話やシチュエーションで
    それぞれの人となりが浮かんできます。
    観る側にとっては舞台の空気に馴染んでいく中で
    劇中の人間が知るのと同じ感覚で
    個々のキャラクターの存在や人となりが伝わってくる。
    しかも、物語の中でキャラクターの描かれ方が
    端折ることなくしっかりと密度や緩急をもっているので、
    観る側が力をいれなくても、すっとその場を俯瞰できる。

    机を寄せてみんなでそばを食べるシーンなどでも
    同床異夢の雰囲気が、
    エピソードの積み重ねではなく、醸し出される空気として
    観る側にしっかりと伝わってくるのです。

    それぞれの想いが、キャラクター自らが語るより
    物語の流れやシチュエーションから
    よりしっかりやってくる。
    そのことで、まるで皮膚で空気を感じるように
    物語が観る側の内側に広がっていく。
    もちろん個々の演技から直接見えてくるものも秀逸なのですが
    その空気に浸されて滲みだしてくる何かが
    それを鮮やかに浮き立たせ観る側を巻き込んでいく。
    しかも、物語の秀逸は絡み合った一人ずつの心情を
    混濁せずに澄んだ色で観る側の心に残していくのです。

    だから、季節の変わった終盤の部分が
    観る側にとってとても自然に腑に落ちる。
    単なる後日談ではない、
    人が生きていく淡々と含蓄に富んだ時間がそこにはあって・・・。

    「甘い丘」に続いて桑原作劇の精度や質感に瞠目し
    強く心を惹かれたことでした。









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    2010/02/28 17:58

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  • コメントありがとうございます。

    5月の次回公演もすごく楽しみにしております!

    2010/03/15 11:36

    ご来場&コメントありがとうございました!

    2010/03/09 07:56

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