満足度★★★★
「鬼」を使った成句の使い方が巧い
人間の真似をして豆まきをしたことから父親とケンカした鬼の青年が隠れ住んでいた洞窟から人間界に降りてきて…な物語。
「鬼は~外ぉ!」と追われる鬼の側を描くことでマイノリティの立場をえぐった社会派…なんてワケはなく、例によってひたすらバカバカしく、肩の力を抜いて難しいことなど考えずただ「あは、あは、あはは」と笑っていれば良いというお気楽なおハナシ。
が、「鬼」を使った成句をもじりも含めてふんだんにしかしさり気なく使っているのが上手い。たとえば「立派な鬼嫁になる」って、イイ意味なんだか悪い意味なんだか…(笑)
また、あんな人やこんな人の顔合わせも○。
ただ、長編ということもあり、得意の(?)影絵がなかったのはちょっとだけ残念。