肩の力が抜けていく。
「観たい!」には彼らの作風には分かる分からないの差があると書きましたが、訂正します。今回は誰だって分かる。学生を初め若者に観て欲しい。そう言える様に大人にも観て欲しい。冒頭からしばらくは「難しいのかなぁ」と思いながら観ていたけど、進むほどにシンプルでストレートになっていきました。そして最後には言い様のない気持ちに脱力。もしかしたら古臭いテーマと感じる人もいるかもしれません。しかしそこはreset-N。新しいセンスで包み込んでいます。古ぼけてなどいない。現代のミュージシャンがあえて過去の匂いがする曲調を選ぶ様な。とか綺麗な物言いを選んでしまいましたが、描かれているのはいつまで経っても解決しない永遠の悲しいテーマ。
鶴牧さんと井上さんの佇まいが好きでした。知的で格好いい男は男から見ても魅力的。作風が影響するのか、個人的にはいつもreset-Nの登場人物には謎を感じます。でもそれは説明不足なんじゃなくて、人が誰しも「隠しながらもしくは隠し切れずに抱えている孤独な部分」を見たくなるからなんじゃないかと。
響いた台詞は『それが言えたら』。あまり書くとネタバレになるので自重しますが、この台詞を耳にしたら是非ともその先を考えて頂きたいです。