満足度★★★★
ヒヤリとした質感
「眠るために目醒める」を見て、もうこの劇団は見なくてもいいかなと思っていたけど、今回は作風がまた変わったようなので見に行ってみようかと思いました。
でも、今週は見たいのが沢山ありすぎてあきらめていたのだけど、たまたま見れる事に。
そして、今のreset-Nの真の実力を見せつけられました・・・。
黒をベースに作られた飾り気の少ない舞台は、執拗なまでの照明へのこだわりで別空間を作り出す事に成功していました。
このセンスを感じさせる舞台美術と、オープニングから見せてくれる光と影の芸術的な使い方から一気に異世界を演出して引き込まれました。
話も作家の内省的な話は前回で終わって、レイシズムに心酔する日本の若者たちとその首謀者たちとのギャップからくる苦悩を、ヒヤリとした冷たい質感で見せてくれました。
これ程素晴らしい作品を見せてくれるとは。
★は4.5で。
役者陣は、正直なところこれだけのキャストは必要なかったように感じたけど、ノグチを演じた鶴牧万里さんの淡々とした、それでいて情熱を秘めた語り口が心地良かったです。