ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】 公演情報 シス・カンパニー「ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/11/17 (木) 19:00

    価格5,000円

    追加公演の一番安い席(5000円+手数料)が取れたので、2か月前に続いて今度は京都劇場で三谷幸喜さんのコメディを鑑賞。初日17(木)の夜の部。京都劇場は6年半振りで、前回は劇団四季の「コーラスライン(A Chorus Line)」だった。もっと前には三谷さんの文楽「其礼成心中」とか財津和夫さんのコンサートに来たこともある。現役時代には会社のイベントで来たこともあった。

    京都駅ビル東ゾーンにある劇場。1997年の駅ビル開業と同時に日本初の駅ビル内劇場「京都シアター1200」として開場。2002年に改装されて京都劇場として再オープンした。再オープン後は劇団四季が通年公演を行っていたが、2016年11月からは準専用劇場となり、並行して劇団四季以外の演劇・コンサートも開催されている。

    今回の公演はシス・カンパニー(SIS company)の作品。1980年代の野田秀樹主催の劇団「夢の遊眠社」のマネージメント部門「えーほーしよう会」が前身。1989年に法人独立し、シス・カンパニーとなる。2002年から自社独自の舞台制作を本格化し、2008年に野田秀樹との業務提携を終了している

    三谷幸喜さんの所属する芸能事務所で、今回の公演に参加された浅野和之さん、峯村リエさん、井上小百合さんも所属。その他、堤真一さん、高橋克実さん、八嶋智人さん、勝村政信さん、キムラ緑子さん、野村萬斎さんら多くのアーティストらがいる。

    2か月前に見た「VAMP SHOW」が1992年初演作品の3回目の再演だったが、今回の「ショー・マスト・ゴー・オン」はもう1年前の1991年に本多劇場で、東京サンシャインボーイズで初演されたコメディ。1994年に紀伊國屋ホールと福岡・大阪にて再演されている。これは「VAMP SHOW」は21年振りの復活だったが、この作品は28年振り。

    昨年(2021年)の9月に加藤健一事務所の「SHOW MUST GO ON ~ショーマストゴーオン~」を見たが、こちらはジョン・マーレイ(John Murray)とアレン・ボレッツ(Allen Boretz)の共同執筆作品なので、全く別物。

    2022年11月7日(月)から13日(日)まで福岡・キャナルシティ劇場で、11月17日(木)から20日(日)まで京都・京都劇場、そして11月25日(金)から12月27日(火)まで東京・世田谷パブリックシアターで公演。上演時間は前半が55分で、20分休憩の後1時間10分弱の合計2時間25分ほど。

    脚本と演出の三谷幸喜さんについては以下のリンクの以前の鑑賞記録を参考の事。
    https://stage.corich.jp/watch/529059/stage_comments?fbclid=IwAR216u7VNKBY5l5RyfUZK4Wyk0H1S1TSNHai_SsOFbERpQRq65Vg54CdP1s

    舞台監督の進藤役を演じるのは鈴木京香さん。1968年5月生まれ、宮城県仙台市出身。泉高校から東北学院大学経済学部に進み、大学在学中の1989年に女優デビュー。1991年にはNHK朝ドラの「君の名は」のヒロインに抜擢される。2004年公開の映画「血と骨」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞している。俳優の長谷川博己さんと事実婚の状態。三谷作品では、1995年のテレビドラマ「王様のレストラン」を皮切りに、常連出演者となっており、鎌倉殿では後白河法皇の寵妃、丹後局を演じている。この役は初演、再演とも男性で西村雅彦さんが演じた。

    ステージ上の舞台の座長宇沢萬役は尾上松也さん。1985年1月生まれ、東京都中央区出身、堀越高校卒業。歌舞伎名跡「尾上松也」の二代目で、父は六代目尾上松助。1990年、5歳の時に初舞台を踏み、数々の子役で多くの賞を受ける。現在(2022年秋)放送中のフジテレビ系連ドラ「親愛なる僕へ殺意をこめて」にも出演していた。鎌倉殿では後鳥羽上皇を演じている。この役は初演・再演では老役者の設定で、初演では梶原善さん、再演では佐藤B作さん(一部小原雅人さん)が演じた。

    舞台監督助手の木戸を演じたのはウエンツ瑛士さん。松也さんの1学年下の1985年10月生まれ、東京都武蔵野市出身。父親はドイツ系アメリカ人で母親が日本人。武蔵野東学園の小中学校から日学櫻丘高校を卒業。4歳からモデルとして芸能活動を始め、NHK教育の「天才てれびくん」にレギュラー出演。以後テレビドラマなどで俳優として活動する一方、小池徹平さんとのデュオ「WaT」として歌手活動も行っていた。2008年公開の映画「ゲゲゲの鬼太郎」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。この役は初演、再演とも(故)伊藤俊人さんが演じた。

    同じく舞台監督助手の馬場のえを演じたのは秋元才加さん。1988年7月生まれで、父親は日本人で母親がフィリピン人のハーフ。2020年にラッパーのPUNPEEと結婚。千葉県松戸市出身で船橋西高校(現船橋啓明高校)卒業。2006年から2013年までAKB48で活動し、チームKキャプテンも務めた。その後多くの映画、ドラマに出演している。鎌倉殿では巴御前を演じた。三谷さんの舞台には「国民の映画」や「日本の歴史」に出演している。この役は初演では宮地雅子さん、再演では高橋理恵子さんが演じた。

    ステージ上の舞台劇の共演女優、久野あずさを演じたのはシルビア・グラブさん。1974年7月生れで、父親がドイツ系スイス人で母親が日本人。2005年に俳優の髙嶋政宏さんと結婚。東京都出身で聖心インターナショナルスクールからボストン大学音楽学部声楽科を卒業。1997年以降女優としてミュージカルを中心に舞台で活動中。鎌倉殿では藤原兼子を演じている。三谷さんの舞台には「国民の映画」や「ショーガール」、「日本の歴史」に出演している。この役は初演では斉藤清子さん、再演では野仲功さんが演じた。

    ステージ上の舞台劇の作家、栗林を演じたのは今井朋彦さん。1967年8月生まれで、東京都出身、慶應義塾高校、慶應義塾大学文学部卒業。大学卒業後、文学座に入団、当初は舞台中心の活動だったが、三谷さんの「HR」出演以降、三谷作品も含めて出演が増加した。NHK大河にも「新選組!」の徳川慶喜役や「真田丸」の大野治長役など重要な役で出演している。三谷さんの舞台には「国民の映画」や「おのれナポレオン」に出演している。この役は初演では小林隆さん、再演では相島一之さんが演じた。

    小道具作りの名人、黒木を演じるのは新納慎也さん(前半にガードマン役も)。1975年4月生まれで、神戸市出身、鈴蘭台高校(現神戸鈴蘭台高校)から大阪芸術大学舞台芸術学科演劇コースに進んだが、2年で中退して上京し舞台俳優として活動する。1997年から2年間 、NHK BSの「にこにこぷんがやってきた!」のうたのおにいさんとして出演。2016年のNHK大河ドラマの「真田丸」では豊臣秀次を演じ、「秀次ロス」現象が巻き起こした。鎌倉殿では阿野全成を演じた。三谷さんの舞台には「恐れを知らぬ川上音二郎一座」や「TALK LIKE SINGING」、「日本の歴史」に出演している。この役は初演では小原雅人さん、再演では梶原善さんが演じた。

    何故か舞台裏で観劇するチンピラ風の男、中島を演じたのは藤本隆宏さん。1970年7月福岡県北九州市にて出生、宗像市で育つ。西日本短期大学附属高校に在学中、日本代表としてソウルオリンピック200m・400m個人メドレーへ出場。早稲田大学人間科学部へ進学後はバルセロナオリンピックの400m個人メドレーで日本人初のファイナリストとなる(8位)。卒業後の1995年に劇団四季へ入団。98年の退団後はテレビドラマへも進出。2009年から放送されたNHKの「坂の上の雲」広瀬武夫役は私も記憶に残る。この役は初演、再演とも甲本雅裕さんが演じた。

    年老いたお医者さんを演じたのは浅野和之さん(前半にガードマン役も)。1954年2月生まれで、東京都出身。桐朋学園芸術短大を出た後、1987年に夢の遊眠社へ入団。テレビドラマや映画などですっかり茶の間にもお馴染み。鎌倉殿では亡くなった辻萬長の代役で急遽伊東祐親を演じた。三谷さんの舞台には「12人の優しい日本人」や「恐れを知らぬ川上音二郎一座」、「大地」に出演している。この役は初演では相島一之さんが演じたが、再演では医者役が見当たらなかった。

    何の役だったんだろう、差し入れを管理していた女性を演じてたのは峯村リエさん。1964年3月生まれで、東京都吉祥寺出身。藤本さん同様高校までは水泳の選手で、自由形で東京都大会に出場経験あり。高校卒業後に劇団に参加する。2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の大蔵卿局役の“なりませぬ”が記憶に残る。この役は初演と再演では座長の妻だったと思われるが、それならば初演では横田由和さん、再演では斉藤清子さんが演じた。

    左足筋損傷で福岡・京都公演を降板した小林隆さんがするはずだったもう一人の舞台監督助手の父親を三谷さんが演じたが、この役は初演では母親で杉村理加さんが演じた。再演では小林隆さんで今回唯一同じ役者さんだったのだが・・・

    この他、中島亜梨沙さんが演じた小屋主は、初演では福島三郎さん、再演では近藤芳正さんが演じた。大野泰広さんが演じた舞台を外された役者の八代役は、初演、再演とも阿南健治さんが演じた。その他、井上小百合さんが現れなかった外国人演出家の通訳役、小澤雄太さんが舞台監督の恋人役、荻野清子さんが舞台劇のピアノ演奏者で出演。

    物語の舞台は、演劇公演「マクベス」の舞台袖。しかし、次々にトラブル発生。座長は酔っぱらってるし、演出家は道に迷って現れない。舞台監督助手の一人は舞台監督に叱られたことを根に持って現れず、電話したら代わりにド素人の父親が登場。小道具は壊れ、急遽小道具作りの名人が呼ばれる。作家は、自分の書いた話と全然違うと怒る。さらに音響トラブルも発生・・・ 遂には小屋主が中止を決断するが、舞台監督は云う「幕が開いた後は、私の責任。絶対に幕は降ろさない!」さて、このピンチどうやって乗り越えるか。「ショウ・マスト・ゴー・オン!!!」

    悪意のない世界なので、見てて単純に笑えてしまう。三谷さん、福岡公演からの急遽の代役だが、違和感ないわ。鈴木京香さん、貫禄。ウエンツに秋元さんも素晴らしい。そしてやはり松也さん、この人、いろんな役熟せて凄いと改めて感心。ああ、楽しかった。!


    以上

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    2022/11/20 19:08

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