満足度★★★★★
スマートな迷宮
ひたすら実存的な言葉(しかも現実虚構の実存入り乱れた言葉)で会話がなされるので、頭を全力で開いていないと置いてかれる。コメントを参考にずいぶんと気合を入れて臨んだのだが、一瞬気がそれたらだいぶ置いてかれかけた。
けれど内容はといえば、虚構と現実についての考察と実践という点からみて、その入り混じり具合も台本上での言葉と演劇の仕組みと組み合わせバランスも非常に上手いことやっており、似た試みをしてきたあまたの作品の中でもかなり成功してると言えるもの。虚構と現実らしきものの境目にあるラビリンス。少なくとも自分はワクワクしっぱなしで2時間みれた。
小説に書かれた言葉は必ず物語とかかわりがある、みたいな言葉(詳細不確か)をどっかで聞いたことがあるが、みていてその言葉を強く想起させられた。物語、特に文字で書かれた物語というものは常に恣意的。それをひっくり返して考えた所にこの舞台の始点があるように思う。