満足度★★★★
4回目のドンキ
「ドン・キホーテ」もバレエの人気演目の一つだが、私自身はあまり見ていない。3年前に3つの舞台を見たっきり。グルジア国立バレエでは主演がニーナ・アナニアシヴィリ、新国立劇場バレエではスヴェトラーナ・ザハロワ、東京バレエ団では小出領子。いずれもメインのダンサーを目当てに見て、その点では文句もなかったのだが、作品的にはあまり面白いと感じなかった。
ところが今回は、これが主役デビューだという林麻衣子や、相手役の齊藤拓の踊りも悪くはないのだが、なんといっても出演者たち全員のマイムを中心にした演技がすばらしくて、芝居でヘタな演技を見るときのようなストレスがまったくないのがよかった。バレエ公演を見て私(演劇ファン)なんかが感じる不満というのは、踊りの技術面とかちょっとしたミスよりも、芝居の下手さというのがけっこう大きいのだ。