S高原から 公演情報 三条会「S高原から」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心地よいデフォルメに潜んだ力
    戯曲の流れは
    以前に他の劇団で見た通りだし、
    ニュアンスもちゃんと伝わってくるのに、
    なにか一皮むかれたような
    新鮮な印象があって・・・。

    おもしろかったです。

    ネタバレBOX

    三条会初見。

    入場して舞台を眺めた時には
    一瞬劇場を間違えたかと
    ひやっとしてしまった・・・。
    そこはどう見ても学校の教室だったから・・・

    お芝居がはじまっても、
    しばらくはその表現に加えて
    学校机や学生服の違和感に縛られていたのですが
    デフォルメされた表現のなかに戯曲のコンテンツが伝わってくると
    その感覚が逆バネのようになって、
    ぐんぐんと面白くなっていきました。

    設定された場所の性格上、
    当然に存在するであろう
    まとわりつく死の匂いや
    患者たちの感情などが
    ショーアップされて表現されていきます。
    普通に演じればすかし絵のようにみえる
    サナトリウムに流れる時間の影が
    この舞台では
    デコレーションを施されて
    はっきりくっきりとあらわされていく。

    訪問者たちを鎌で排除して、
    日常の時間の外側に放り出していくあたりからも、
    戯曲に漂うその場所の時間や空気、
    さらには患者たちの日々への感覚が
    あからさまに伝わってきます。

    脚立や積み重ねられた机からつたわってくるもの、
    時間の切り方、
    会話の強さ・・・。
    一つずつが、その場所に流れる時間を
    忠実に織り込んでいる。

    入所者の姿に加えて
    最初看護人に天使の羽が見えたり
    鎌をもってまわっていた時には
    どうなるかとおもったのですが
    見終わってみるとj、
    その姿こそが、すごく的を得ていると感じられるのです。

    役者もお芝居の色の強さをしっかり支える演技で、
    観客をがっつり舞台の世界に引き込んでくれました。

    とても面白かったです。

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    2010/01/16 17:31

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