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ぼくらが非情の大河をくだる時~新宿薔薇戦争~
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
オフィス3〇〇「
ぼくらが非情の大河をくだる時~新宿薔薇戦争~
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(536)
実演鑑賞
満足度
★★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
3○○の『ぼくらが非情の大河をくだる時〜新宿薔薇戦争』を観劇。
50年前の今、作・清水邦夫、演出・蜷川幸雄、石橋蓮司、蟹江敬三にて公演された革命劇。
10代だった渡辺えりが戯曲に感激し、念願の公演を果たした。
桜の満開の森の下には武士の死骸が埋められているように、新宿の公衆便所の下には革命戦士たちが埋まっていると信じる詩人の弟。
弟を裏切りながらも庇い続ける兄と父。
彼らが生きた時代は学生運動で社会が盛り上がり、社会党の浅沼稲次郎刺殺、マラソンランナー円谷幸吉の自殺、あさま山荘事件、イージーライダー、三島由紀夫と様々な事件が流れていく最中、学生たちは何を想い考え、どのようにして革命の大河をくだっていたのだろう?
清水邦夫の戯曲には物語などなく、詩のようなセリフの数々と時代背景を比喩表現で用いることで当事者たちの心情に肉薄していく。観客は登場人物に
なかなか追いつくことが出来ないながらも、「追いつこう!」「逃さないぞ!」と舞台に前のめりになっていく。そこに蜷川幸雄のダイナミズムが追い討ちをかけ、圧倒的な興奮を得てしまうのである。
人物の内向的な部分を得意とし、そこで評価を得てきた演出・渡辺えりにはダイナミズムは期待出来ないながらも、当時の若者たちへの想いは、遥か山形県から眺めていた感覚に近いのが今作の出来上がりだ。
現代から50年前、そして現代への戻っていく終わり方は、清水邦夫の革命戯曲への新しいアプローチを発見したのかもしれない。
だからこそ今作は貴重な公演であった。
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2022/10/30 22:08
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