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弘前劇場「
アグリカルチャー
」の観てきた!クチコミとコメント
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アキラ(1498)
満足度
★★★★
染み入る
「家族」ならではの、どうにもならない感情が静かに語られていた。
ネタバレBOX
言葉のトーンとリズムがやけに心地良い、長い独白に導かれて、家族と血縁と絆、そして「赦し」とが、ぐるぐるとつながっていく。
日常描写が続くのだが、特に何も起こっていない日常が、意外とゴツゴツとした手触り。各々がゴツゴツしたものを心に秘めているからだ。
何とかしたいと思っていてもどうにもならないゴツゴツしたシコリのようなものが日常の中にある。それは赦せないはずの父親のことだったり、仕事を辞めている夫のことだったり、会ったことのない妹のことだったり。
その日常が、薪割りの激しさに導かれるように、そして家族が予期しなかった養蜂家の訪れとともに少し変わっていく。
気持ちを表に出すこと、それが「赦し」であって、長男は自らの束縛から解放され、(たぶん)元小学校の先生も漫才のネタにすることで、やはり少し解放される。
好転していく家族は、新しい家族を迎え(養蜂家の男も含め)、ともにカレーを食べて笑顔になる。
純粋な津軽の言葉と、標準語とその中間ぐらいの言葉の使い分けの感じがやけにリアル。
准教授のポジションが、ややうっとうしさもあるものの、全体のトーンを明るくし、家族にとっては他人であるのだが、その言葉の端々に家族に注がれる温かい視線が感じられた。彼は、全体から浮いてしまうような役柄なのだが、それをうまく持ちこたえ、好演していたと思う。
残念なことに、一番の肝であるところの、長男が手紙を読んでからの激しい行動と、それを予見していたと思われる養蜂家の男と准教授のくだりがどうも理解できなかった。
舞台からのメッセージを見落としていたのかもしれない。もしそうであったら、申し訳ない。
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2009/12/05 05:12
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