コマギレ 公演情報 ラビット番長「コマギレ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     このタイトルにカレーライス。フライヤーのど真ん中には将棋。確か将棋のハナシだったハズだが? どんな関連があるのだろう? 多くの人がこのように感じたのではないか? 正解は今作を見て頂くとして、井保さんの脚本の特徴である温かさは無論健在。久しぶりにラビ番の作品を拝見した身としては円熟味が増したと感じた。(追記9.27)

    ネタバレBOX

     板上は二段構え、奥が高くなっており、下手正面壁には大きな将棋盤、指し手を表示できるようになっており、TV番組で放映される際の解説、アナウンサー、ゲスト等が登壇する。上手には対局場棋士を挟んで正面に棋譜を記す記録係が正座している。場面によって亀甲型を思わせる桟の入った障子が用いられ、料亭や影絵芝居のスクリーンに変化する。
     一段低い手前は師匠の運営する将棋道場といった作り。下手奥にはキッチン等があり、TV放映されるような対局の際は、関係者がこの道場に集まり観戦しながらカレーを食べる習わしだ。言う迄も無い事だが、将棋もまた戦争をゲーム化した遊戯である。今作は、そのゲームを通して人生、即ち人が人として生きる生存競争に迄踏み込んだ。何故、毎回カレーしか出てこないのか? 何故、ポークカレーなのか? 極めて貧しい育ちの師匠が何故将棋のプロになれたのか? 何故、こんなに師匠は良い弟子に恵まれたのか? 何故、人々にこれほど優しいのか? 等々、今作を巡る疑問は頗る多い。無論、第一段落で上げておいた、タイトルの謎の件もある。これらの謎総てが作品上演中に演じられる内容で合点のゆく創りになっているのだが、1つだけタイトルに絡む謎のヒントを挙げておくと師匠の愛弟子・桂子は女流初のプロ棋士である。無論、格段の強さを誇る。彼女は男性棋士と並ぶプロとなって女流名人を降りた。その後女流名人を継いだ花下は桂子に対して猛烈な闘争心を持っているが、桂子が体を壊し暫く対戦を控えた後の初戦で完敗した。が、桂子はその後どうした訳か反則負けを喫し続ける。再度の対戦となった桂子VS花下戦、桂子が危うく反則し掛けた刹那、花下はそれをやんわり止める。このフェアプレイの美しさは例えようが無い。
     今作の懐の深さは単に将棋、野球、福祉等ラビ番定番作品各々の質の高さそのものに負うのみならず、こういった思い通りにならない人生の躓きを含めて完全では無いが、その人その人が全力を尽くして生き抜く力と、その努力を評価しキチンと支える為に矢張り一所懸命、無手勝流で生き抜こうとする人々の姿を温かい目で描いていることにある。
     演技では、大谷記者役、大河内 延公氏が気に入った。

    5

    2022/09/24 11:39

    4

    1

  • えざきさま
     花下のフェアプレイ、ホントに素敵ですよね。対戦には負けましたが人として花下自身が成長した姿でもあり、今後の作品でも桂子の良きライバルとして登場させて欲しいキャラです。他にも桂子たちの亡くなったお父さんの話や師匠の子供時代、今70歳の自分の育った頃に重なる景色が作品の中に随分あり深く心をうたれました、また。皆さんによろしくお伝え下さい。
                              ハンダラ 拝

    2022/09/29 02:39

    ハンダラさーん!
    追記ありがとうございます✨
    細かく見ていただきありがとうございます!!
    花下が桂子を止めるところ私も好きなので書いていただけて嬉しいです☺️

    2022/09/28 17:08

    えざきさま
    ハンダラです、追記しましたご笑覧下さい。

    2022/09/27 20:43

    えざきさま
     コメント有難うございます。土曜日に雑誌の原稿を急に依頼され締めが明日、月曜。今日は研究会(竹内芳郎さんが始めた討論塾)、昨日も2本観劇だったのでバタバタですが、なるべく早く追記します。お待ち下さい。皆さまによろしく。井保さんは、藤山寛美さん目指してたりして!? ハンダラ拝

    2022/09/25 10:56

    ハンダラ様
    「コマギレ」ご観劇いただきありがとうございます!
    久しぶりにラビ番作品観ていただけて嬉しいです!
    追記も楽しみです🤗

    2022/09/25 10:07

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