動員挿話【公演終了!ありがとうございました】 公演情報 サラダボール「動員挿話【公演終了!ありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    時代を翻訳するセンス
    戯曲のもつエッセンスを
    観客側でなく舞台側でみごとに時代変換して。

    結末が腑におちるというか、
    戯曲の世界をしっかりと見る側に納得させる力を持った
    舞台でした。

    ネタバレBOX

    岸田戯曲に加えて
    いくつかのカンパニーによるシーンがさしこまれていることが
    開演前に案内されて・・・。

    そりゃ動員とか出兵など
    今の日本にはない感覚ですから、
    まともにやれば
    どうしても歴史の教科書を読んでいるような
    古臭さが出てしまう。

    しかし、舞台となる家庭の雰囲気を
    今の質感であらわしてもらえると
    戯曲の本質となる感覚がとてもナチュラルに
    伝わってくるのです。

    国という存在もうまく戯画化されていて、
    鯱鉾ばった時代の鎧がはずされることで
    今の肌合いで出来事を感じられるようになって。

    身近な生活の感覚の中での
    出兵のインパクトが絵空事ではなく
    やってくる。
    出征にたいする馬丁の揺らぎや
    女房の息苦しいほどの愛情が
    平成の目線でがっつりと感じられるのです。

    ウィットもたっぷりあって
    楽しみながら観ているうちに
    戯曲のコンテンツがふかく心に伝わってくる。
    客いじりもうまく機能していて。

    洒脱さにもひかれ
    作り手のセンスにとりこまれ
    時間を忘れて見入ってしまいました。

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    2009/11/23 16:29

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