満足度★★★★★
ただのお笑いではないセンスが光る
劇団だるいの作品は、作・出演者の佐溝貴史の言葉を借りれば「身の回りで面白いことが増えれば、ちょっとだけ生活が楽しくなって、ちょっとだけ生活が豊かになるような気がします」というコンセプトで作られているようだ。
スタイルとしては故林広志がやっている「更地」などに近い演劇コント。東京大学で演劇をやっていた男性陣に、今回東京女子大、お茶の水女子大のメンバーが加わって小道具、衣装にも凝り、華やぎが出た。
インテリの社会人劇団らしく、ただのお笑いではない。日常に話題をとりながらも、現代社会の諷刺も込め、しかも抑制がきいて嫌味はなく、随所にセンスが光る。
大上段に振りかぶった「演劇」ではなく、仕事で疲れた人が休日に頭を休めながらゆったり笑える小品集。サービス精神にあふれ、寄席の雰囲気に近いかもしれない。
当初の予定が変更され、1時間45分で6本の短編集となった。普通、短編でお笑いでも長時間休憩なしで続くと、見ているほうは疲れるのだが、ここの公演は疲れないのが有難い。
内容はネタバレで。