アラさえない舞台多かれ少なかれ如何なる職場にも、人間関係におけるオリやヨドみといったものは沈潜しているもので、それらを具さに描いていても、動物処分場というやり場のない想いが行ったり来たりしているような場所を舞台としたことによって、それらがそのような設定ゆえにこそ発せられているものに見えてきてしまうのが口惜しいところである。作品自体のクオリティは高く客席も空気を共有するが、世界に色々な光を当て過ぎて白色になってしまっているような印象を受ける。打ちっぱなしのコンクリートによって見せ付けられる、逼塞感をあらわす灰色とはまったく裏腹である。
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2007/05/23 00:27
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