劇場HOPEこけら落とし『かもめ』 公演情報 ノアノオモチャバコ「劇場HOPEこけら落とし『かもめ』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    ううむ
    原作よりは分かりやすかった。
    (原作読んでない人はたぶん理解に難あり?)
    しかし、それが仇となった。

    特に、
    主人公♂の心情と、
    ニーナと小説家の惹かれ合うシーンの交錯が
    拙僧にとっては非常に鬱陶しかった。

    苛立ちさえ憶えた。
    主人公部分になったら照明が変化し、その都度音楽挿入。
    学生演劇にありそうな感じでした。

    ダンスは非常に良かった。
    ジャズが基本。クールでややエロスあり。
    しかし同じく、ダンスとしてである。

    最初は鮮やかではっとしたが、
    場転とともにいちいち挿入が始まり、
    以下同文。

    まるで前に見た、RAKUENOH+の
    照明ちかちかしながらの場転を思い出した。
    あれも拙僧には合わなかった。

    とはいえ、美しい部分もあった。
    最後の雪降る中、
    のたれ死んでるニーナと、自殺した主人公♂の手を
    回想を聞いてたある娘(原作になし)が結ぶところだ。

    しかし、やはりこれも
    原作を読んでる拙僧としては臭い。臭すぎた。

    ニーナの末路、その解釈はそれもありでしょう。
    精神錯乱+飯食してない+疲れてる などでのたれ死ぬ。

    主人公♂と話をしていくうちに、
    明るい方向を見いだしていくニーナが所詮幻想や幻覚であったとしても。

    しかし、拙僧はこう考える。

    もはや何をしても不満な主人公♂にとっては未来は明るくない。
    彼の救いはニーナが自分の元に帰ってくること。
    しかし、やつれたはずのニーナは明るく、
    彼に「あの人を以前より深く愛してる」と言い放つ。
    絶望である。

    引き金をこめかみに当て自殺した彼に、
    苦し紛れに救いを与えて良いものか。

    そうなってほしいと願う心もなくはないのだが、
    それなら
    手と手を結ばせた後も雪が降り積もり、
    彼らを埋めてやれば良かったと思うのだ。

    ロシアらしさを出せとは言わない。
    ですが、「雪」が綺麗で軽いものに見えてしまった。
    ロシアの、否、彼らの雪はそんなもんでしょうか?
    作家としてのあなたは、主人公♂のような心境に陥ったことはなかったのでしょうか?

    なんにせよ、終わりは主人公♂の、
    否、トレープレフの苦悩・憔悴・絶望を強く表現するべきだと拙僧は思った。

    現代風アレンジするのは構わないし、
    おかげで最近、とても興味深い団体を見つけたし、これからも様々な団体に大いにしてほしい。
    ですが、現代風の、妙なあまっちょろい考えで台無しにはしてほしくないのである。

    人形の家が面白かったあなたがたなら出来るはずです。
    なのであえて☆1。

    しかし劇場がとても良かったのと、
    こけらおとし記念に☆1おまけ。

    ネタバレBOX

    拙僧は別に
    藤原竜也が以前やった王道古典演出を求めてるわけではありません。
    小劇場には小劇場の、良さがあると思っておりますので。


    ニーナかわいかった。最後のほうの長いせりふの、表現がやや気になったけれど。もう少し大胆でも良かったのではないか? 「私はかもめ」があまりにかすんでしまった。ぽろって言うのはいいんですけど、全体的にぼそぼそ風だった気が(とまではいかないけど)。

    トレープレフ大仰な手振りを交えるのは構わないが、動きが単調だった。そしてセリフの端々が聞こえにくかったので原作読んでてよかったと強く思った。

    アルカージナ青木さやかみたいだった。それに気づいてからあまりの面白さに眠気がなくなった。後であのノーラを演じた人だと知って更に驚き。

    マーシャの娘もかわいかった。

    シャムラーエフの演技が気になった。大仰なのは構わないが、あまりにうるさかった。きっとああいうのが好きな人もおられると思うので強く言えないが、拙僧のその日のテンション的に笑えなかった。夜に観てたら楽しめたかも。昼からだとさすがに。

    ドールン絶妙な演技。賞賛に値する。このかたに☆を差し上げたいくらい。

    トリゴーリンジョジョに出てきそうでした。

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    2009/10/22 17:33

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