今日もいい天気 公演情報 渡辺源四郎商店「今日もいい天気」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    夢の競演
    山田百次と工藤由佳子、高坂明生の競演は、好きな人間にとってはたまらない。
    こんな日が来るとは。

    欲を言えば、
    序盤にちょっと硬さがあったかなぁ、
    山田百次はもうちょっと、シンプルな元気さがあった方が好きかなぁ。
    田中耕一も、もうちょっと、力みを抜いた自然さがあっても良かったか。

    と、
    思ったり思わなかったり。

    ネタバレBOX

    「下地」というか、「骨組」や「部品」、伏線として、
    「鶴の恩返し」と「サザエさん」が随所に組み込まれている。

    さしずめ、
    「タマの恩返し」といった言い方もできると思う。

    死期間近の飼い猫「タマが」、
    最後に大好きな飼い主家族に、恩返し?をするため、
    その家族が大好きだった、不慮の事故で既に亡くなっている、
    家族の主婦の姿に化け、
    家政婦としてやってきて家族を喜ばそうとする話。

    ちなみに、亡くなっている主婦は、
    主にとって娘、
    長男にとって姉、
    娘婿にとって妻、
    孫にとって母である。

    さつない下地ながらも、
    ほのぼのとした暖かい愉快さが小気味良い進行を作り出している。
    要所要所で泣かせるが。

    個人的に好きな場面は、

    笑いとしては、
    長男と孫との電話の争奪戦、
    激しいバトルがアグレッシブに楽しい。
    と、
    主の甥が、食事をたかりにやって来た時の場面。
    関西弁の軽くてテンポ良いながら、いい加減で自分勝手だけど潔癖症な、妙な愉快さ。

    泣きとしては、
    家族の墓がある寺の住職と化けた「タマ」が対決する場面、
    使命感から化け猫となった「タマ」をお払いしようとしていながら、
    「タマ」が最後の命を懸けて純粋に恩返しと別れをしたいだけな事を知り、
    見逃した上、「タマ」を弔うことにした住職の暖かさ。

    挨拶に来た長男の恋人と「タマ」の場面。
    「タマ」がまるで、我が子をその恋人に託す母親のよう。

    もう限界がきて「タマ」が去ろうとする時の、長男と「タマ」の場面。
    姉への思いのたけをぶつける長男、
    主婦亡き後一番自分を愛してくれた長男へ、主婦(姉)になりかわり、叱りつける「タマ」。

    全体的に、
    笑って良いんだと思うが、
    愉快さのしたの暖かさと切なさで、
    どうしても泣けてしまった。

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    2009/10/18 19:43

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