実演鑑賞
満足度★★★★
旗揚げ公演とは思えないほどの力作。また楽しみな演劇集団に出会えたことを嬉しく思う。同時に今後の活動、そして伸びしろに期待大。
物語は長野県の とある街で生まれ育った私 多田唯似 22歳の人生、その心の彷徨であり、荒ぶる感情を咆哮するといったリアルを描いた内容。当日パンフに脚本の香月蛍 女史が、この物語は「どこまで私(香月)の話で、どこから私(唯似)の話か考えながら観ても楽しいかも」と記している。実話ベースであるからリアルなのは当たり前か。冒頭、唯似が あくまで舞台上の物語であることを説明するところから始まる。
さて、「当たり前」「普通」といった感覚は何か、比べようのない不安や苛立ちといった表現し難い気持・感情を主人公の生き様を通して浮き彫りにしていく。公演は唯似役の うさみみずほサンの熱演、一方 その人間性を冷徹に観察・見つめるような演出、その熱・冷相俟って観応えある作品になっている。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)