実演鑑賞
満足度★★★★
鹿殺しを観たのは結構前のこと。(OFFICE SHIKA舞台は丸尾氏昨・演出で一応別物と考えている。こちらはここ数年に2、3本観ている。)「電車は・・(再演)」「無休電車」と立て続けに観たと思っていたが間に何年か空いていた。爆音とマイクで喋る台詞には、バンドのライブなら覚悟してノリに行くがここでは勘弁(だって動けないし勝手に休憩もできん)と、二つ見てきっぱり敬遠した。(OFFICE..の方も音デカの基調は変わらぬがバリエーションがある。)
8年程経って彼らも大人になり、20周年どんな構えを見せるのだろうと不安半分、好奇心で観に行った。(前置き長い。。)
どうも体調が良くなかったのだが、舞台の方は目を休ませず、場面転換もモード転換も華麗にして溜息をつく暇もない。でどうなったか。恐らく体は眠ろうとしていて眠れず、中盤を超えたあたりでげっそりしてきた。退場する程でないが、「少しだけ休ませて」と目を瞑っても寝落ちを許されない音、光、声である。
さて以上は(眠りたいのに眠れない時どうなるか、という事例ではあるが)芝居の評価とは全く関係ない。
別に判定を下す訳ではないが中々面白く、ある部分において素朴に感動できた。出色は以前は考えられなかった技術を駆使した演出そのもの。物語性のある部分は深みを与えきれずに終えている。が、舞台芸術、小説なんでも良いが、それを織りなす者が持つ表現したい共有したい「何か」(今抱いている人間や世界に対する感懐)を、この舞台で客に伝えるにおいて雄弁であったのはストーリーよりは断片あるいはその連なりであり、演出的工夫がそれをうまく伝えていたという印象である。(従って自分がダウンしそうになった、客の首根っこを揺すぶって寝かさぬ演出が、功労者という訳であった。)
お話は色々と錯綜して単線的に説明しづらいが、少し経ってそちらの感想も書いてみる。