俺の屍を越えていけ 公演情報 クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)「俺の屍を越えていけ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    アカ、シロ2組観ました
    会議などに使用されるレンタルオフィスのスペースを会場にして、
    「会議」の劇を上演するという企画。ギャラリー公演やカフェ芝居と同様で
    臨場感・緊迫感があり、面白かった。原作はもともとは上演時間約55分で、
    のちに加筆して70分ものにしたそうだが、今回も70分バージョン。
    アカ、シロ2チームを連続して観ました。
    クロカミ未体験で迷っているかたがいたら、この機会におススメします。
    3チーム、フルキャスト入れ替えなのでアカ、シロでも確かに印象が違います。
    舞台となる放送局の雰囲気をより味わいたいなら、アカを。
    ワダ・タワーファンで彼の熱演ぶりを観たいかたにはシロをお奨めします。
    クロを12日に観ます。さて、どうなるだろう。

    ネタバレBOX

    TV局・ラジオ局を併設する放送局の会議室が舞台。
    フランス帰りの49歳の新社長(劇には出ません)のリストラ計画のもと、
    各部から召集された局員6名が会議を開き、クビにする管理職1名を決めなければ自分たちの中から1名を出さなければならないという、究極の選択を求められるお話。
    実際、放送局に勤務経験がある自分の個人的感想としては、
    アカはみんな本物に見えてリアルだったが、
    シロは演劇を観ているという感じがした。どちらがよいかは好みが分かれると
    思う。

    役者の印象で言うと、

    アカ・・・川本亜貴代の「松島」が面白い。報道部員らしく、マスコミによくいる
    タイプの女性だ。女子アナ「郡山」の手塚桃子は、部屋に入ってきた時から、
    「夕方ニュースの花」としての女子アナのオーラを発散。原稿を読むときの
    声の美しさも本物らしく、「花」の虚像の部分もうまく演じている。
    渡辺裕也の「本荘」は演技に安定感があり、この業界特有の投げやりで
    荒っぽい人間性が出ていた(本当に、こういうタイプ、ディレクターに多い)。
    つまり、人事になど感心がなく、職人的プライドが高い。
    一番印象に残ったのは「東根」の太田鷹史。
    組織率の低い組合の青年部長だが、昔の新劇青年にはこういう役が
    似合う俳優もゴロゴロいたのだが、最近では珍しい。
    「組合臭」(笑)のようなものがよく出ていて感心し、演技的にも惹きつけられた。太田望美は「三沢」の知的な面を、堀内保孝の「北上」は朴訥な純真さ
    を素直に演じて好感が持てる。

    シロ・・・アカに比べて、役者たちは肩に力が入っている印象が強い。
    「本荘」の佐藤正和は、渡辺が「若作りしても服装センスが洗練されてない男」なのに比して、「業界人らしいカッコツケをしてる男」。投票紙の机への置き方にしても渡辺のような荒っぽさはなく、とにかく会議をうまく決着させたいと思っているふうだ。「郡山」の高見菜穂子は美しすぎてアナというよりお高い女優に見えてしまう。声質がアナウンサーらしくないし。だが、今後、ほかの役で観てみたいと思った。
    “根っから組合青年”の太田に比べ、ワダの「東根」は「いちおう組合に
    入っているけどね」というタイプ。太田、ワダで昔の民藝がやっていたような左翼演劇で対立する役を演じさせてみたいと思った。
    日ヶ久保香の「松島」はトイレに落とした携帯電話の扱い方など、川本より几帳面な性格にみせる。「三沢」「北上」を演じる若手2人(馬場渚・松岡努)は一生懸命さが役と重なるが、演技がまだ堅く、青い。
    この組は良くも悪くも「東根」のワダ・タワーの存在が突出しており、彼を中心としたお芝居を観ているという印象だった。
    アカ組で笑いが起こった「鳥羽一郎ネタ」がシロではさほど面白く聴こえず、
    観客の笑いも少なかった。

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    2009/10/11 08:23

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