しゃべるな
BATIKの黒田育世の新作(初演は今年5月、福岡にて)ということで、楽しみにしていたのだが、内容は大いに期待はずれ。前作の「ペンダント・イブ」は面白かったものの、途中でダンサーが声を出していたのがちょっと気になっていた。そしたら今回は叫び声、笑い声が作品中に響き渡っていて、前作での不安が的中したかっこう。ダンスで声を出すのは別に禁じ手ではないと思うが、黒田作品の場合は叫びや笑いを体の動きで表現してこそ魅力なわけで、安易に声を使ってしまうのは逆効果だと思う。
出演者は5人。そのうちBATIKのメンバーは黒田と西田弥生の二人だけ。これまでBATIKの作品はいずれも面白かったので、今回が例外であることを祈る。ファンとして、黒田育世にひとことだけ言いたい。
しゃべらずに、黙って踊れ。