実演鑑賞
満足度★★★★★
三線・胡弓・笛の琉球音楽バンドも付き、ウチナンチュの誇りとエネルギーが満ち満ちた舞台だった。死者を悼む琉歌や、太鼓をダイナミックに使ったエイサー踊りも織り込み、芝居と歌と踊りが融合した(会場が乗りがよければさらに盛り上がっただろう)。
手塚治虫によく似た漫画家の大学生が沖縄取材に来ている。その目のまで、戦果アギャーたちが米軍から原爆を盗み出す。取り戻そうと血眼になる米軍司令官と、ふてぶてしく開きなおるアギャーの親分。沖縄独立党の党首は、原爆を米軍の交渉の切り札に、米軍撤退を要求する。そこに沖縄戦で死んだ米軍将校を恋人にもつ、米軍女性中佐の復讐が絡む。物語の細部はさておき、沖縄のひとびとに脈打つエネルギーと、アメリカ軍への怒りがはじけていた。
米司令官の「沖縄の連中の誇りを奪え。誇りを失った人間は、打算で動くようになる。上目遣いで我々を見る。誇りを奪い、植民地根性を叩き込め」の科白に強者の本音とおごりを見た。これに、果敢に(無鉄砲に)立ち向かうアギャーたちの運命やいかに…