満足度★★★★★
アナザーバージョンはシンプル&和風!
先週のオリジナルバージョンに続いて、今週はアナザーバージョンを見てきました。
冷蔵庫や浴槽などのセットが置かれていたオリジナルバージョンに対し、アナザーバージョンはセットらしいセットが全くなくて舞台上にあるのは丸椅子が4つだけ。
演劇=肉体表現であることを実感できる舞台になっていました。
そして特筆すべきは元々カナダの戯曲であるこの『ハイライフ』を、アナザーバージョンでは設定を丸々日本に置き換えていたこと(登場人物の名前も含めて)。
話の設定が日本に変わった分、オリジナルバージョンに比べて馴染みやすかったです。
同一のテキストでも演出や設定が違うと、違う作品を見ているのではないかと錯覚するぐらい全く雰囲気が違ってくる…という典型的な見本
だと思いました。
『ハイライフ』を初めて見る方には、分かりやすさという点ではオリジナルバージョンよりアナザーバージョンの方がおすすめかな…。
アナザーに出演している4人の役者さん(谷宗和さん・イワヲさん・里美和彦さん・甲津拓平さん)も流山児さんが「流山児★事務所の第2世代を担う役者達」と期待をかけているだけあってオリジナルに負けないくらいエネルギッシュで熱い演技をされていて、アナザーバージョンの方がオリジナルバージョンよりも爆笑の渦を巻き起こしていました(←オリジナルバージョンを見たのが初日だったこともあって仕方がなかった部分もあったと思いますが)。
流山児さんはこのアナザーバージョンを深作欣二監督の名作『仁義の墓場』の【大笑い30年の馬鹿騒ぎ=15年の刑務所暮らし】をモチーフに作ったとか…(公演パンフのご挨拶より)。
深作監督はすでに亡くなられてますが、もし深作監督が今この『ハイライフ』アナザーバージョンを見たらどんなことを思ったかな…見終えたあとフッとそんなことを思いました。
とにかく!オリジナルもアナザーも最高でした!!
まだ見ていない方は両方ご覧になることをおすすめします!!
【おまけ】
アナザーバージョンでは劇中でRCサクセションの曲が使われていたんですけど、開演前からずっとRCの曲が流れていて開演前に『雨あがりの夜空に』が流れて思わず泣きそうになりました(苦笑)。