『器』/『薬をもらいにいく薬』 公演情報 いいへんじ「『器』/『薬をもらいにいく薬』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    一度短編をチラ見した程度で、実質初観劇のユニット。完売のため当日並べる日を選んで「薬」を拝見した。
    観客の忍耐力を当て込んだ間合いたっぷりの場面と、絶妙な跳躍とのバランス、状況の全てが判らなくともふいに胸を突く台詞があったりと、好感触であった。全体のバランスという事では冒頭、中程、終幕で流れる「如何にも・らしい」ラジオ番組が良い背景になっていた(声:松浦みる/野木青依)。放送は一方通行で完結しているがだが、ドラマのトーンと微かに近似性があり、ミクロな世界に「世間」という裏打ちを与える。
    主要人物を演じた三名は「だんだん見えて来る」人物像を形象し、引き込まれるものがあった(特に「全部見えちゃってる」ハヤマのキャラ)。

    ネタバレBOX

    ラジオ番組を織り込んだ典型と言える秀作は、自分としては20年前に黒テントが上演した「メザスヒカリノサキニアルモノ、若しくはパラダイス」という松本大洋による書き下し。これに楽曲を提供した荻野清子がラジオパーソナリティを演じ、夢うつつを行き来するような芝居を締め括る。
    真似が絶対に出来ない奇跡のような舞台(と自分は思っている)は、ラジオというアイデアに依る所大で、今回の「薬・・」もラジオの貢献を思う。

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    2022/06/20 04:01

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