満足度★★★★
チョコレートコーティングされた柿の種
ナンセンス、ブラックの2種類の笑いと昭和中期の松竹映画のような人情・ペーソスという一見異質なものが程良く配合されて意外な味を出しているのは「チョコレートコーティングされた柿の種」(←実在する)の如し。
ちなみに装置は吉本新喜劇風ながら内容はドタバタではありません。(笑)
で、その装置、舞台がラーメン屋だけに壁に短冊メニューがあり、半ばお約束のように「謎」が…。と言ってもドサクサに紛れて「ゲルググ」があったりする(←某公演で目撃)のではなく、「五点盛り」よりも高い「三点盛り」(高級素材を使っているのか量が多いのかはたまた…)とか、普通盛り280円に対して大盛が600円のチャーハン(値段がちょっと高いのに量が2倍というのはよくあるが、値段が倍以上ってどないやねん)とか、そういうタイプ。
また、「教授」とロボ妻(笑)のエピソードなぞ奥が深く、ふくらませればそれだけで1本の芝居になりそう。それ関連ではラストシーンもさり気ないがなかなかステキ。そういえば天馬博士がトビオ(「アトム」と命名される前のあのロボット)を手放した(というよりは捨てた)理由も連想。
欲を言えば時々挿入される回想場面がいつ頃のことであるのか(どころか回想であるかどうかさえ)しばし判断に迷うことがあったので、そこのところがわかり易ければより良かったのではあるまいか。