11月15日の夜空に(演劇祭大賞受賞!) 公演情報 劇団Peek-a-Boo「11月15日の夜空に(演劇祭大賞受賞!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Bキャスト
    ある夜突然、主人公の部屋のクローゼットから坂本龍馬、いや才谷梅太郎と名乗る男が現れ…という某社CMのような状況から始まる物語、従来の Peek-a-Boo にはなかったタイプの作品ながら上出来。
    TVから流れる殺人事件のニュースをキッカケに不条理な死が多いのは幕末も現代もそんなに変わっていないのではないかと示唆したり、3年前の友人の自殺に責任の一端を感じて未だに立ち直れていない主人公の妹に龍馬が「兄にでも両親にでも甘えて生きてゆけばいい」と諭すなど、大好きな「死んじゃだめだよ、生きてなくちゃだめだよ」系なので高評価は当然と言えば当然?(笑)
    いやしかし、そういう内容的なものに加えて、演劇表現的にもイイ。
    いつもながらスローモーションの表現が巧みなばかりでなく、今回はそれに回転を遅らせた台詞もかぶせたりしているし(逆に早回しもアリ)、「素に戻る芝居」もほぼ毎度のこととはいえ楽しいし、ネタがネタだけに頻繁に出てくる土佐弁も(高知に住んだことどころか行ったことさえないのであくまでイメージながら)いかにもそれっぽく自然で、より作品世界に入り込ませるという…。
    他に表現として、序盤で主人公が書いている小説内の龍馬たちを狂言の様式で見せた(当然、途中から普通の演劇表現に戻る)のも実験的で面白い。
    内容に再び戻れば、この時代のことはお前に任せたと言い残して幕末に戻った龍馬が中岡に感謝の言葉を伝えるところもイイし、絶命直前の龍馬と少年時代の江戸に向けて旅立つ龍馬を同時に見せるのもイイ。
    で、「キャラメル風味」も感じたのはタイムスリップして現代に現れた龍馬が主人公を成長させる、というプロットが『また逢おうと竜馬は言った』と近いこともあるか?
    あと、龍馬ものと言えば、先日の『ねずみの夜』で「近江屋」をやっと覚えたが、この作品では慶応3年11月15日という日付をキチンと覚えることができそう。

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    2009/09/20 23:33

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